仕事終わりのヘトヘト体で突入!シングル母のリアルな夜時間
ドアを開けるまでの深呼吸
仕事が終わって、会社のビルを出る時のあの開放感。ああ、やっと終わった、という安堵感が一瞬体を駆け巡ります。でも、その安堵もつかの間、駅までの道のりで頭の中には「今日の夕飯どうしよう」「あれ買わなきゃ」「洗濯物取り込んでない」「子どもの宿題は?」といった「帰ってからやるべきことリスト」が次々と浮かんでくるのです。
自宅の玄関のドアを開ける直前、一度大きく息を吸い込みます。このドアを開けたら、そこからはもう一つの「仕事」が始まるのだと、自分に言い聞かせるように。子どもが「おかえりー」と迎えてくれるのは嬉しいけれど、同時に「さあ、エンジンをかけ直す時間だよ」という合図でもあります。
キッチンに立つ体力との戦い
「ただいまー」と声を出しながら、カバンを置いて手洗いうがい。そして、間髪入れずにキッチンへ直行です。仕事で一日中座っていた日も、立ちっぱなしだった日も、体の疲れ具合は違えど、キッチンに立つことへの精神的なハードルは、毎日そこにあるように感じます。
冷蔵庫を開けても、「何もない」と感じる日もしばしば。朝は少しだけ余裕があったのに、疲れて帰ってくると、凝ったものを作る気力は全く湧きません。定番の炒め物、焼き物、あるいは冷凍食品や、帰りにスーパーで駆け込みで買ったお惣菜。
「またこれー?」と子どもに言われないように、せめてもの彩りを気にしたりするのですが、それも疲れていると億劫になります。でも、食べさせないわけにはいかない。疲れた体に鞭打って、火の前に立つ。この時間が、仕事の延長のように感じられるのです。
嵐のような食事の時間
夕飯の時間は、本来ならゆっくりと話をする大切な時間なのかもしれません。でも現実は、早く食べさせて、早く片付けたい、という気持ちが先立ちます。子どもがスマホを見ながら上の空で返事をしたりすると、カチンとくることもあります。
「ちゃんと前を向いて食べようね」「今日は学校で何かあった?」なんて優しい声かけをしたいのに、出てくるのは「早く食べなさい」「もう、ふざけないの」という言葉ばかりになってしまう自分に、後で落ち込むこともあります。
食べ終わった後の食器の山を見ると、またため息が出ます。食洗機があるご家庭を心底羨ましく思います。我が家は手洗い。油でギトギトになったフライパンや、たくさんの茶碗やお皿を目の前にすると、心が折れそうになります。
寝るまでのカウントダウン
食後の片付けを終えても、一息つく暇はありません。子どもにお風呂に入るよう促し、洗濯物を取り込み、明日の学校の準備を確認。連絡帳に目を通して、持ち物をチェックしている時に「あ、あれがない」と気づいて慌てて探す、なんてこともよくあります。
子どもがなかなか動かなかったり、スマホから離れなかったりすると、ついつい強い口調になってしまいます。イライラする自分にも嫌気がさしますが、こちらもヘトヘトなのです。
自分の体も洗ってさっぱりしたいけれど、子どものことが終わるまで待っていたら、もう寝る時間になってしまいます。自分のことは適当に済ませて、スキンケアもオールインワンでササッと終わらせる日が多いです。
私の「無」になる時間、と現実
子どもが寝室に入り、ようやく全てのタスクが終わった時。ホッとすると同時に、「さて、これから私の時間だ!」と期待します。ソファに座って、録画しておいたドラマを見ようか、少しだけ本を読もうか、明日の準備をもう一度確認しておこうか…
でも、気づいたらソファでうたた寝してしまっていたり、スマホをぼーっと見ているうちに時間が過ぎていたり。一日頑張ってパンパンになった頭と体は、休息を求めているのです。結局、楽しみにしていた「自分の時間」は、何も特別なことはできずに終わってしまう日がほとんどです。
これもまた、私のリアル
毎日毎日、仕事が終わってからも、休む間もなく家事と育児に追われる夜。ヘトヘトになるし、自分の時間はほとんど持てないし、正直「いつまでこれが続くんだろう」と思うこともあります。
でも、これもシングルペアレントのリアルな日常なのだと思います。他の頑張っているお母さんたちも、きっと同じような夜を過ごしているのかもしれません。完璧じゃなくても良い。全ての家事が終わらなくても良い。子どもが寝た後、たとえ短い時間でも、ただソファに寝転がるだけでも、それは自分を労わる大切な時間です。
このバタバタな夜の積み重ねが、子どもの成長を支えている。そう信じて、また明日も、ヘトヘトの体に鞭打って、玄関のドアを開けようと思っています。