「手伝って!」が届かない。中学生の子と家事分担のリアル
日々の家事と募る疲労
毎日、仕事から帰ってきてからの時間というのは、息つく間もないほど慌ただしく過ぎていきます。夕飯の準備、洗濯、片付け、そして子どもの学校のことや宿題の確認。どれもこれも、私一人でこなさなければならないことばかりです。
子どもが小さかった頃は、私から離れられず、それはそれで大変でした。でも、何か頼めば素直に「うん」と言ってくれる可愛らしさもありました。それが中学生になり、体力もついて頼もしくなったはずなのに、別の種類の「大変」に直面しています。
その一つが、家事のお手伝いです。
「やることリスト」が通じない日々
少しでも私の負担を減らしたい、そして何より、これからの生活の中で自分で自分のことができるようになってほしい。そんな思いから、「自分の部屋の片付け」「食べ終わった食器を下げる」「洗濯物を取り込む」など、いくつか簡単なことをお願いしています。
ところが、これがなかなかスムーズにいきません。
「これ、お願いね」と声をかけても、「あー、あとで」という返事。そして、その「あとで」がなかなか来ないのです。もう一度声をかけると、露骨に嫌そうな顔をされたり、「疲れてるんだよ」と言われたりします。
根気強く言い続けて、ようやく渋々始めたかと思えば、やり方が雑だったり、途中でやめてしまったり。結局、私がやり直したり、残りを自分で片付けたりする羽目になります。
言うのも疲れる、頼むのを諦める
一度や二度ならまだしも、それが毎日のように繰り返されると、だんだん言う側も疲れてきます。「どうせ言ってもすぐにやらないだろうな」「また嫌な顔されるかな」と思うと、頼むこと自体がおっくうになってしまうのです。
そして、最終的には「もういいや、自分でやった方が早い」と諦めて、結局全てを自分でやってしまう。これが一番楽な方法になってしまっている自分がいます。
本当は、子どもにも家事の大切さや、家族みんなで協力することの意味を理解してほしいと思っています。でも、反抗期なのか、単に面倒くさいだけなのか、私の思いはなかなか伝わらないようです。
「うちだけじゃないんだ」という思い
このような状況に直面すると、「うちの子だけが特別手伝わないのかな」と不安になったり、「私の教え方が悪いのかな」と自分を責めたりすることもあります。
でも、周りの同じくらいのお子さんを持つ友人や、同じシングルペアレントの方の話を聞くと、「うちも同じだよ」「中学生なんてそんなものだよ」という声が多く聞かれます。なんだ、自分だけじゃなかったんだ。そう思うと、少し心が軽くなります。
完璧な家事分担は難しくても、小さなことでも良いから少しずつ。今は手伝ってくれなくても、いつかきっと理解してくれる日が来るかもしれない。そう信じて、イライラしたり諦めたりしながらも、なんとか毎日を回しています。
焦らず、でも諦めずに
子どもが成長するにつれて、悩みや大変さの形も変わっていきます。物理的な手がかからなくなっても、精神的な面でのサポートや、生活習慣に関する声かけは続きます。
家事のお手伝いも、その一つです。すぐに完璧にできることを期待せず、少しずつでも意識してくれるように、粘り強く、でも深刻になりすぎずに伝えていくことが大切なのかもしれません。
私も、「どうしてやってくれないの!」と感情的になってしまう日もあれば、もう何も言わずに自分でやってしまう日もあります。でも、それで良いのだと思っています。完璧な親も完璧な子どももいませんから。
今日もお皿を下げてくれなかったことに少しため息をつきながら、明日また、懲りずに声をかけてみようと思っています。もしかしたら、明日は「うん」と素直な返事が聞けるかもしれませんから。