ひとりで抱え込みがち。シングルペアレントが「頼る」ことを覚えるまで
シングルペアレントの私たちは、ついつい頑張り屋さん
シングルペアレントの皆さん、こんにちは。毎日、お仕事に家事に育児にと、本当にお疲れ様です。
私たちひとり親は、「自分が頑張らなくては」という思いが強い方が多いかもしれません。仕事も、子供との時間も、家のことも、すべてを一人で回さなければ、というプレッシャーを感じていらっしゃる方もいるのではないでしょうか。私自身も、まさにそうでした。
特に子供が小さいうちは、体力的にも精神的にも余裕がなく、目の前のことで精一杯。それでも、「私がやらなきゃ」と歯を食いしばってきました。
頼ることが苦手だった私
私は、誰かに頼るということが、とても苦手でした。 実家は遠方で、すぐに駆けつけてもらうことは難しい。友人もそれぞれに家庭があり、忙しい日々を送っています。そんな中で、「迷惑をかけたくない」「申し訳ない」という気持ちが先に立ってしまうのです。
子供が熱を出してしまい、急な仕事を休まなければならなくなった時。パートの身では、職場に迷惑をかけることへの心苦しさも大きくなります。看病しながら、溜まっていく家事を横目にため息をつく。そんな時、「誰か代わってくれたら」と一瞬思っても、すぐに「いや、無理だよな」と打ち消してしまう。
あとは、自分の体調がすぐれない時です。頭痛がしたり、体がだるかったりしても、「寝込むわけにはいかない」と自分にムチを打つ。子供が「ママ大丈夫?」と心配そうに見上げる顔を見ると、ますます弱音を吐けなくなります。
そうやって、自分で全部抱え込んでしまうのが、私の癖になっていました。「頼る=弱いこと」だと思っていたフシもあるかもしれません。
小さな「頼る」から始まった変化
そんな私が、少しずつ「頼る」ことを覚えるようになったのは、あるきっかけがありました。
ある時、どうしても抜けられない仕事の会議と、子供の学校行事が重なってしまったことがありました。子供はもう中学生ですが、思春期ということもあり、「来てほしい」という気持ちが態度に出ていました。どうしようもなくなり、勇気を出して、普段から仲良くしているママ友に相談してみたのです。
「もしよかったら、うちの子の顔、チラッと見てきてもらえないかな…」と。
ダメ元で言ってみたのですが、彼女は二つ返事で「いいよ、全然大丈夫だよ」と言ってくれました。そして、行事が終わった後、「〇〇ちゃん、ちょっと照れてたけど嬉しそうだったよ!」と写真付きで連絡をくれたのです。
その時の、肩の力がフッと抜けるような感覚を今でも覚えています。たったそれだけのことなのに、誰かに助けてもらえることの心強さを初めて実感した瞬間でした。
それ以来、私は少しずつ「頼る練習」を始めました。
例えば、 * 子供の習い事の送迎を、時々ママ友と交代する。 * 「体調が悪いから、今日の夕飯は簡単に済ませるね」と子供に正直に伝える。 * どうしても疲れた時は、総菜や冷凍食品に頼る日を作る。
完璧を目指すのではなく、「今日はこれだけできればいい」と自分に許可を出すことも、ある意味「自分自身に優しく頼る」ことなのかもしれません。
頼ることは、決して弱いことではない
誰かに助けを求めることは、決して恥ずかしいことでも、弱いことでもありません。むしろ、自分の限界を知り、他者との繋がりを大切にできる、ある種の「強さ」なのだと気づきました。
もちろん、いつでも誰かに頼れる状況にあるわけではないかもしれません。でも、もし、少しでも頼れそうな人が周りにいたり、利用できるサービスがあったりするのなら、小さなことから試してみてはいかがでしょうか。
行政の相談窓口、地域の支援団体、ファミリーサポートなど、私たちシングルペアレントを支えてくれる仕組みも存在します。もちろん、まずは信頼できる友人や家族に、率直な気持ちを話してみることも大きな一歩です。
ひとりで抱え込みすぎて、潰れてしまう前に。 完璧な母親、完璧な自分を目指しすぎずに。
少しずつ、肩の力を抜いて、誰かの温かい手に触れてみる勇気を持てたら、毎日の景色が少し変わるかもしれません。
私もまだまだ練習中です。でも、「頼ってもいいんだ」と思えるようになっただけで、心は少しだけ軽くなりました。
皆さんも、どうかご自分を大切にしてくださいね。